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ゼオライト分離膜脱水とは?

ゼオライトとは
ゼオライトは沸石類鉱物と呼ばれる鉱物の総称です。
その種類は構成されるシリカとアルミナの比(S/A比)により100種類以上にのぼり
それぞれが結晶構造中に非常に小さな空隙を持っているのが特徴の一つです。
またS/A比が小さいほど親水性が高く 逆にS/A比が大きいほど疎水性が高くなる性質を持っています。
ゼオライトの用途例
ゼオライトは土壌改良剤や ディーゼルエンジンから排出されるNOxガスを無害化する触媒
また 自身が持つ孔を利用した吸着剤として幅広い用途で用いられています。
消臭用途では室内で飼われているペット用のトイレの砂にゼオライトが用いられていますし
重金属除去では汚染水からの除去の他 海外ではその水を飲んでしまった牛にゼオライトを食べさせて体内をきれいにする
「デトックス」にも用いられているそうです。
ゼオライト膜ではこのうちの「水分吸着」の性質を応用し ゼオライト種で最も親水性の高いA型ゼオライトを膜化したゼオライト分離膜が市場で多く用いられています。
ゼオライト分離膜とは
「膜」と名はついていますが ゼオライト膜はフィルター(ゴミ取り等)の役割は果たしません。
得意とするのは 有機溶剤やガスに含まれる水分を取り除く「脱水膜」としての役割になります。
現在は特に有機溶剤の濃縮用途で用いられています。
ゼオライト分離膜の形状は円筒状(直径は約1cm,長さは最長約1m程度)です。
ゼオライト膜自体の厚さは~10マイクロm程度のため 分離膜の強度を保つため
セラミックス支持体の表面にゼオライト膜を形成しています。
水分を分離する際は ゼオライト分離膜(筒)の片端を封止し 筒の内部を真空ポンプで吸引し減圧
これにより生じる膜内外で圧力差をドライビングフォースとして水分を筒の内部に引き抜きます。
この際 ゼオライトの孔の大きさが0.4nm 水分子の大きさが0.3nm 多くの有機溶剤の分子の大きさが0.4nmよりも大きいため
水分子はゼオライトの孔を通過することができるが 溶剤の分子は通過することができず
結果として水分のみが分離されることになります。
このようにゼオライト膜はゼオライト孔の大きさを利用して物理的に水分を除去することができるため
従来の脱水法にくらべ低エネルギーかつ高濃縮脱水が可能になります。
現在溶剤脱水の方法として 溶剤中の水分濃度により
「蒸留法」「共沸蒸留法」「吸着法」が用いられています。
技術ポジション
このうち「共沸蒸留法」は非常にエネルギーがかかり
かつ設備が大掛かりになる 手間がかかる等の問題も有しています。
ゼオライト膜脱水はこの共沸蒸留の代替技術として広く用いられています。
共沸蒸留をゼオライト膜脱水で置き換えることにより脱水工程でのランニングコストの削減
さらには技術や場所等の問題で共沸蒸留が難しく廃棄していた溶剤に関しては
ゼオライト膜脱水の導入により脱水が可能になる事はもちろん
それにより脱水後の溶剤をリサイクルすることができます。
そのため従来の廃棄費用の他 新液購入費用も削減することが可能となります。
こちらはゼオライト膜による脱水が可能な溶剤の一例です。
その他の溶剤に関しては 弊社にて適用可否を確認する試験が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
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